2023年に発刊した『SAKURACO’s こなれ英語LESSON』が一周年を迎えました。皆さまのご愛読に感謝の気持ちを込めて、本の一部を無料で公開いたします🎊✨
『SAKURACO’s こなれ英語LESSON』内容紹介
英語で「気の利いた返し」や「上手いコメント」を繰り出せない、英語力はそこそこあるのに話を盛り上げたり、自分をうまく表現できない…、そんなもどかしい想いを抱える英語学習者のための一冊。英語のコミュ力をワンランク上にアップさせる「こなれ英語」フレーズと、考え方のコツを余すところなく盛込んだ本書なら、学習者が自分の英語に感じている「コレジャナイ感」をきっと払拭できるはず!
こなれ英語の感想をシェアしてくださった方を対象に、オリジナルのミニブックとメモ帳のプレゼントキャンペーンを行っております。🎁✨
無料版だけの感想でも勿論ご参加OK!(期日も設けておりませんので、いつでもご参加できます!)皆様のご感想、楽しみにお待ちしております☺️ 気に入って頂けたら、ぜひ本編もお楽しみください。
以下本編より抜粋。出版元のベレ出版様には了承をいただいております。掲載内容(画像、文章等)の一部及び全てについて、複製、転載、転用、改変等の二次利用は固くお断りいたします。
なお「はじめに」と「Chapter00」はPDF版には含まれませんのでご了承ください。
はじめに
Thank you! Have a nice day! と、高揚した気分で 1 日の会話を終える。
会話中に分泌されていたアドレナリンが落ち着いてきた頃に、ふと、「あの時ああ言えばよかった…」「空回って頭に浮かんだことをとりあえず言ってはみたけれど、今思えば支離滅裂だったかも…」と次々浮かんでくる反省点。
満足なコミュニケーションが取れないのは、語彙力が足りないからに違いない!と意気込み、SNS で見かけた人気のフレーズ本を買い込んで、隙間時間にやり込む。ヨシヨシ。これで私の会話はもっとキレッキレになるはず。
そうして満を持して迎える英語のミーティング。資料も使いたい英語フレーズもバッチリ用意! 緊張しつつもよい感じに質疑応答も終了!
…したはずが、おかしいぞ? 会議後に同僚たちが興じている雑談に参加できない…。
弾む会話を楽しむチームメンバーを尻目に赤べこのように首を振るしかできず(家に帰りたいなあ…今日の夕飯何にしよう?)と思考が浮遊しはじめたタイミングでいきなり「あなたはどう思う?」と話を振られ、時間稼ぎのコメントを繰り出しながら何て言おう?と考えているうち、話を振ってきたはずの同僚は、あなたを置いてさっさと次の話題に移っている。
…ああ無情。
これはもう場数を踏んで会話の練習をするしかない!と前向きなあなたは某オンライン英会話で英語の会話練習をすることに。一対一の心地よい会話。英語で話せることを楽しみつつも、そのうちに絶望的なことに気づくはずです。
英語の先生は文法の間違いは直してくれても、気の利いた返しやその場の雰囲気を明るくするような上手いコメント、ましてや文化的な「立ち回り方」は教えてくれない、ということに。
停滞したままの英語コミュニケーションスキルを磨くには?と考えあぐねた結果、「会話センスを磨くためには素敵な表現を大量にインプットするしかないか…」と半ばヤケになりながら Netflix で海外ドラマを見漁るところに着地する、ここまでがセットなのではないでしょうか?
手当たり次第に英語を勉強しているはずなのに、いざ本番で出てくる自分の英語の「 コレジャナイ感」たるや…。本当はもっと「気の利いた返し」とか「それっぽい」上手いコメントをしたいのに。
こんなもどかしい思いをしていた過去の私、そして同じような思いを抱いているあなたに向けてこの本を書きました。
本書は文化に根ざした「こなれ英語」フレーズや表現のストックを増やすとともに、シミュレーション問題をこなしながら自力で良質なコミュニケーションが再現できるようになるコツを身につけていきます。
各項に登場する練習コーナーは「理解度を測るためのテスト」ではありません。「参考書を買って、それでなんとなく満足してしまう」という “ 学習あるある ” を防ぎ、学びを自分のモノにするためのツールとして、楽しみながら使っていけることを目指しましょう。
それでは「こなれ英語」で、スパイスが効いた会話を楽しむ旅に出掛けましょう!
Enjoy your journey!
Chapter 00 そもそも「こなれ英語」って?
どんなコメントやコミュニケーションスタイルを「こなれてるな~!」と思うかは人それぞれかもしれません。でもきっとこんな共通点があるのではないかと思います。
■ 「頑張ってる感」がない
■ 「無理やり感」がない
■ 「慣れてる感」がある
■ 「含み感」がある
■ 「オシャレ感」がある
では、あなたはなぜ「こなれ英語」を使いこなせるようになりたいのでしょうか?
「自分の考えを無理なく表現したい」から?
だとしたら、必ずしも「こなれ英語」じゃなきゃいけないことはありません。
「相手が慣れ親しんでいる表現を使うことで『私はあなたの文化に理解があるよ、共通認識を持っているよ』という仲間意識を共有したい(してほしい)」から?
「気の利いたことが言えれば、会話のぎこちなさが少し緩和する」から?
きっと色々な理由があると思いますが、根底にあるのは「相手との距離を縮めたい、わかり合いたい」という思いではないでしょうか?
つまり私たちは良質なコミュニケーションを取るために「こなれ英語」を身につけたいのだと思うのです。
(「こなれ英語」を使ってドヤりたいだけ!という方も、ドヤりたい理由をよくよく突き詰めてみれば結局「周りにすごいと思われたい」とか、ネイティブに「こやつ…できる!」って思われたい、「認めてもらいたい、受け入れてほしい」という気持ちが根底にあるはずです。そしてそれはまったくもって不純な動機ではないと私は思いますから、安心してくださいね。)
良質なコミュニケーションを取るためのキー
先述の通り「良質なコミュニケーション」とは、相手との距離が縮まる「心が通い合う会話」と定義してみます。あなたは「心が通い合う会話」をするには、どんなことが大切だと思いますか?
色々な角度から考えていくことができると思いますが、キーとなるのは「観察力」と「言語化力」だと私は考えます。
観察力
観察力とはつまり、注意深く見て、何かを発見するスキルのこと。
自分が考えていること、周りで起きていること、相手の言っていることを客観的かつ多角的に把握し、自分や相手が何を言いたいのか、何を欲しているのか、など相手と心を通わすために必要なことを考える助けになります。
言語化力
言語化力とはつまり、抽象的なこと(考えや物事など)をわかりやすい言葉にするスキルのこと。物事を頭の中で整理して理解する助けになるので、自分の考えを伝えるだけでなく、相手の話を理解する力、つまり共感力にも繋がっていきます。
英語のコミュニケーションで困った時、つい英語力や語彙力が足りないと思いがちです。でも実は「そもそも何を言いたいのかがわからない」ことが原因の場合も多いのではないでしょうか?
どこから話したらいいのか、どう切り取ればよいかわからず、とりあえず頭に浮かんだシンプルな文で対応していると、結果、一辺倒の返答ばかりになってしまう。例えば映画の感想を聞かれた時、色々なことが頭の中を駆け巡る、もしくは駆け巡りすぎて頭が真っ白になってしまって、結局It was great!(すごくよかったよ!)というコメントに落ち着く…なんて経験ありませんか?
これって「なぜ自分がその映画をGreatと思ったのか」とか「どんなところがGreatだったのか」などの自分の思考プロセスをきちんと把握できていないから、ペラッペラなコメントしか出てこないんですよね(はい、何を隠そう私もペラ子でした!)。だからといって、私たちの頭が空っぽなわけじゃない。ただ「自分はなんでそう思ったんだろう?」とか「どんなところを見てそう思ったんだろう?」って一瞬立ち止まって観察する習慣だったり、それを相手が「わー! わかるー!」って思ってくれるような形で言葉にして伝える習慣がないだけなんだと思うんです。
そこで「観察力」と「言語化力」を鍛えておけば、難しい単語を使わなくたって
The special effects were so realistic. I was totally immersed in the storyline!
(特殊効果がとにかくリアルで、ストーリーにどっぷり浸ったわ!)
みたいに肩の力は抜けているけれど、いい感じに会話が盛り上がる「こなれ英語」が繰り出せるようになっていきます。
または
I didn’t get the job I really wanted.
(すごくやりたかった仕事の面接に落ちちゃったんだ…)
と言われた時なんてどうでしょう?
こういう会話って「そもそもなんて言ったら(言葉をかけたら)いいかわからない」パターンの典型だと思うんです。Oh I am so sorry.(わあ、それは残念だったね…)とかYou’ll get it next time!(次は受かるよ!)とか言ってはみるけれど、やっぱりなんか薄っぺらいなあ…と感じませんか?
そんな時「ああ、語彙力があれば…!」と英語力のせいにしがちですが、ここでも「観察力」と「言語化力」を使ってみるともう少し気の利いたことが言えるようになるはずです。
例えば
You must be feeling so disappointed. When you are turned down, it feels like you are being told you are not good enough even when it’s not true, right?
(わあ、それは今落ち込んでるよね。仕事の面接に落ちた時って、本当はそうじゃないってわかっていても自分に欠陥があるんじゃないかって思っちゃったりしない?)
みたいに、共感しながら歩み寄ってみたり。
こんな「観察力」と「言語化力」のエッセンスがたっぷり詰まったのが「こなれ英語」なのです。
ここから先はこんな内容になっています。ぜひ本編もお楽しみください💐